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フラップレスインプラントは高血圧の人でも受けられる?

監修医より

フラップレスインプラントなら高血圧でも受けられる可能性がある

歯茎を大きく切開、剥離(はくり)しないフラップレスインプラント。高血圧症を抱える人にも比較的適用されやすい治療法です。

高血圧症は、術中の外科的刺激や術後の腫れや痛みによるストレスによってさらに悪化したり、命に関わる合併症を引き起こしたりする可能性があるもの。通常のインプラント治療は高血圧だと断られるケースが多いものの、フラップレスインプラントは切開しないため手術による刺激が少なく、術後の腫れや痛みも少ないためリスクを抑えることができるのです。

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高血圧症の人がインプラント施術を受けるリスク

血圧とは、血液が血管の壁を押す力のことで、高血圧はその力が強いということ。血管の壁に負荷がかかっている状態です。

インプラント治療を含む外科的手術や術前の緊張、術後の腫れや痛みによるストレスは、血圧を上昇させ血管にさらなる負担をかけてしまいます。負荷がかかり続けた血管の壁は、柔軟な組織が破壊されて固く、もろくなり、さまざまな合併症を引き起こす危険性があります。ここでは高血圧症の人がインプラント治療を受けるリスクについて詳しく解説します。

手術前のリスク

手術前の緊張による血圧の上昇による血管への負担

手術前の緊張で血圧が上がる人は多いもの。普段から血圧が高い人はさらに血圧が上昇すると、血管の壁に大きな負荷をかけることになります。

手術前に過度なストレスがかかると、ストレスに対応しようと体が交戦状態に。興奮時に働く交感神経が刺激され、心臓から送り出される血液量が増加します。高血圧症の人は、血管の壁に負荷がかかり続けることで、組織が破壊され血管が徐々に柔軟性を失っている状態(動脈硬化)。血流量が増加しても血管の壁が広がらず、無理やり流れる血液で血管の壁を強く押されてしまいます。

柔軟性を失うにつれ、血管はもろくなっていくもの。もともと高血圧な状態が長く続いている人は、血管が破れやすい状態です。脳や心臓周りの血管が破れると命に関わることも。手術前の緊張を和らげるため、精神安定薬を用いたり、リラックス効果の高い麻酔を用いたりすることで対処します。

麻酔による血圧の低下で血液が全身にいきわたらなくなる

多くの麻酔には血管を広げ、血圧を下げる働きがあります。高血圧によって動脈硬化が進むと、血管の壁が厚くなり血液が通りづらい状態に。通常通り麻酔を用いると血管拡張によって血液を押し出す力が弱まり、血液が全身にいきわたらなくなる可能性があります。脳や心臓、末端の組織(手先や足先)に酸素が回らず、脳の組織がダメージを受ける脳卒中や臓器に栄養が行かず働きが悪くなる心不全、腎不全が代表的な後遺症です。また、麻酔で下がった血圧が術後に急上昇し、血管が破れやすくなるリスクも。手術で使用する麻酔の選択や術前から術後にかけての血圧コントロールが重要です。

手術の刺激によるストレス・術後の腫れや痛みによる高血圧

手術前の精神的なストレスと同様、メスによる皮膚の切開や痛み、腫れといった身体的なストレスも高血圧の原因です。メカニズムも同様で、身体がストレスに対処するため、興奮時に働く交感神経が優位になります。通常のインプラントは歯茎を大きく切開するため、麻酔が切れた後は痛みや腫れが引くまで1週間程度。その間、交感神経の働きで血圧が上昇しやすい状態になります。痛み止めの服用や昇降剤(血圧を下げる薬)でコントロールし、過度な高血圧を防ぐ必要があります。

高血圧の人がインプラント治療を受けるには

高血圧の人がインプラント治療を受ける際、術前から術後にかけての血圧をコントロールすることが大切です。術前の緊張や不安を和らげる精神的なケアを行いながら、適切な麻酔薬を用いる必要があります。麻酔薬には種類があり、高血圧を抑える作用があるものは過度な低血圧になるリスク、高血圧を抑える作用がないものだと外科手術によるストレスで危険なレベルの高血圧を招く可能性があります。最近は、緩やかに血圧を低下させる鎮静麻酔(静脈内鎮静法)を用いているクリニックもあるため、カウンセリング時に聞いてみると良いでしょう。

高血圧症のリスクを抑えられるフラップレスインプラント

高血圧症の人にとってインプラント治療はリスクが高いものですが、フラップレスインプラントならリスクを最小限に抑えることができます。

フラップレスインプラントは通常のインプラントと異なり、歯茎を大きく切開することはありません。代わりに小さな穴をあけ、そこからインプラントを埋め込みます。大きく切開して埋め込み部分を露出させたり、縫合したりする時間が必要ないため、通常のインプラントでは30分程度の手術時間が15分程度まで短縮され、術中の血圧コントロールが容易に。歯茎の外科的ストレスも軽減されるため、血圧の急上昇リスクも抑えられます。

参考文献

まとめ

フラップレスインプラントで高血圧のリスクを抑えられる

切らない・剥離しないフラップレス手術は、手術による刺激が少なく高血圧症の人にとって手術自体に伴うリスクを下げる治療法。切開しないフラップレス治療は歯科治療以外でも使われており、高血圧症や糖尿病の人へ適用されてきました。フラップレス手術をインプラントにも適用することで、多くの人へインプラント適用可能性を広げた治療法だと言えます。

クリニック選びは慎重に

フラップレスインプラントは、切開・剥離をせず小さな穴からインプラントを埋め込む方法。一般的なインプラント治療と違って手術時の視野が非常に狭いのが特徴。インプラントがズレたり、周辺組織を傷つけるリスクも高くなります。また高血圧症や糖尿病といった手術自体にリスクを抱える患者は、フラップレスインプラントだとしても術中の病態管理・コントロールが重要です。経験豊富で歯科治療・全身管理に幅広い知識を持つ医師を選びましょう。

フラップレスインプラントを良く知っておくことが重要

フラップレスインプラント治療について治療の流れや医師によるメリット・デメリットの解説、治療を受けるクリニックの選び方など、さらに詳しい情報をまとめています。興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

>フラップレスインプラントについて詳しく見る

免責事項

医療法人社団 明敬会

タキザワ歯科クリニック

03-3685-1444

湘南藤沢歯科

0466-37-3090

一般的な費用相場

190,000~400,000円程度(税抜)

※インプラント1本の埋入価格

【インプラント治療にかかる期間】

インプラント治療にかかる期間は、平均6ヶ月~12ヶ月。

主なデメリット

歯茎の骨の形状、神経の走り方によって受けられない人がいる。

監修者紹介

滝澤聡明

滝澤 聡明医療法人社団明敬会 理事長

滝澤理事長の運営するクリニックでは、全国のクリニックでも数少ない「全症例の9割近くをフラップレス手術で行っている」クリニックです。

患者さんのためになる施術・カウンセリングを心がけており、フラップレス手術を推進するのもその思いがあってこそ。

「医療は絶えず変化するもの。だから自分の医院の診療もその変化に必ずついていく」という考えのもと、新しい技術を積極的に取り入れています。

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ヘルスケア編集部全研本社株式会社

歯を失った場合の治療として、主流になりつつあるインプラント治療。しかしフラップレス手術は、ネット上はおろか書籍でもまだまだ情報が少ない治療方法です。

「メスを使わないインプラント」は、我々患者にとってメリットが大きいはず。そこで当編集部は、フラップレス手術を前面に押し出している医療法人社団明敬会に取材を申し込みました。

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